2012-11-02
被告?被告人?
裁判用語に,「被告」,「被告人」という言葉がありますが,みなさんはこれらの違いをご存じでしょうか?両者とも,「裁判を起こされてしまった人」という点では共通しています。しかし,「被告」は民事裁判を起こされた人を,「被告人」は刑事裁判を起こされた人を指します。
ここで,民事裁判とは被告にお金の支払いを請求したりする裁判をいい,刑事裁判とは被告人に課す刑罰を決める裁判をいいます。このように,「被告」と「被告人」は明確に違うものなのに,なぜかマスコミは両者とも「被告」と称します。
似たようなもんなんだから,「被告」でええやん,って思われるかもしれませんが,これが我々の仕事では結構問題になったりします。我々が民事裁判を提起した場合,相手方は,我々からも裁判所からも「被告」と呼ばれます。ところが,この「被告」と呼ばれた人の中には,「なんで,犯罪者呼ばわりされにゃあかんねん。」と激しく反発する人がいるのです。新聞記者さんに,なんで区別しないの?,と聞いたことがありますが,明確な答えはありませんでした。マスコミが使う変な法律用語はたくさんありますが,私が一番改めてほしいのは,この「被告」の使い方です。
カテゴリー: 弁護士ブログ
←「ブログはじめました」前の記事へ 次の記事へ「IPアドレスって何?」→